第4期授業紹介
高岡熱中寺子屋の授業の様子をご紹介。事務局で要約した内容を載せています。
このページでは、2018年4月開始の第4期の様子を紹介していきます。
第1回授業 2018/4/7




第4期最初の授業の1限目は、熱中小学校の「用務員」、堀田一芙先生(オフィス・コロボックル代表)による授業。熱中小学校について説明いただくとともに、「都会のマタギ、田舎のマタギ」と題したお話をしていただきました。
堀田先生は2011年の東日本大震災を機に、新しい時代に対応できる”場”を作ろうと、東京の赤坂と福島の奥会津で、才能ある人たちが集まって自分の得意なことをシェアしあう「オフィス・コロボックル」を始めました。奥会津で出会ったマタギの猪俣昭夫さんとの出会いから、堀田先生はそのマタギの方々の自然の捉え方に感動し、猪俣さんに教わって横浜の家で日本みつばちの飼育をしています。それと同時に、「現在の東京一極集中を正さなければ少子化問題は解決しない」ということを自覚するようになりました。
「自然とのバランスをとる仕組みは、都会に住むわれわれの心の在り方の問題」という堀田先生。長期的にどうしたら私たちは総合的に満足できる人生といえるのか。知性を磨くということは毎日の生活習慣としてどうあるべきなのか、何を毎日継続すべきなのか。そのとき、豊かな自然の環境は最高の宝物なのだ、ということを教えていただきました。楽しく熱中し、仕事に発見と工夫をしながら、一人一人ができることを考えていきたいですね。
2限目は、「スタートアップ」の授業として、山寺純先生(株式会社Eyes, JAPAN代表取締役)にお話しいただきました。「世の中にある技術には興味がない。今までとは繋がりのない新しいものを作ることにパッションを感じる」と言う山寺先生。1993年ごろから世の中に出始めたインターネットの技術に世界が変わるほどのインパクトを覚え、以降1995年ごろからITを活用し、様々な事業を立ち上げます。今ではおなじみの検索エンジンやカレンダー共有サービスなど、時代に先駆けて立ち上げたものの、先駆けすぎて消えてしまったものも・・・。
20世紀の組織は野球やオーケストラのように、指揮する人がいて全員が動くものだったのに対し、21世紀の組織はジャズのセッションのように、全体の方向性がざっくり決まっていながら、それぞれが専門性を発揮し、それぞれを信頼して動くといった、「創発」するものであるべきだと教えられました。
また、スタートアップの大事な考え方として、WhyよりWhy not?ーまずは実験的にやってみて、周りのフィードバックももらいながら挑戦を続け、その過程で学ぶことーということも教えていただきました。「どこの所属より、自分が何をしているか?」という言葉が印象的でした。
近年、2045年には「シンギュラリティ」(AIが人間の知性全体を大きく上回り、科学技術の進化の速度が無限大になること)が到来すると言われますが、その後の時代を、私たちはどう生きていけばよいのか。今まで人の仕事であったことがAIに取って代わられる可能性も多数論じられるなかで、山寺先生の「スタートアップ」の姿勢や考え方は、起業を目指す方でなくても非常に参考になるお話でした。
第2回授業 2018/4/21




1限目は横浜でお菓子教室とIT会社を経営している、松本美佐先生の「家庭科」。富山でも干し柿作りが盛んであることから、干し柿を使ったようかんづくりにみんなでチャレンジしました(時期的な都合で、今回は長野産の干し柿を使いました)。日ごろ家庭でお菓子作りをする方でも、ようかんを手作りする方は多くないのではないでしょうか?今回先生が教えてくれたのは、白あんと粉寒天を用いたとてもシンプルなレシピ。白あんは、高岡の和菓子屋の老舗・大野屋さんに、この日のために特別に調製いただきました。干し柿を刻み、粉寒天を煮溶かして、白あん、干し柿、上白糖、塩を混ぜて煮詰め、冷やし固めたらできあがり!季節の果物や他のドライフルーツなど、自分でもいろいろアレンジできそうです。
ようかん作りがひと段落したところで、予め用意されていた試食用のようかんをいただきながら、「小さな事業の育て方」について美佐先生のお話を伺いました。派遣で働きながら、一生食べていくのに困らない道を探すなかで、たまたま出会ったお菓子教室という道。子供専門のお菓子教室を開き、食の大切さと自分で考え選択し実行していくことを伝えています。また、手探りで事業を切り開いていくなかで培った教室業経営の経験を次世代に伝えたいと、合同会社も設立し、アプリやセミナー、コミュニティ運営など様々な角度から、小さな事業の応援にも奔走しています。現代はひとりひとりが主役の時代であり、小さな事業が社会を変えていくのだという美佐先生。そのためにも、年齢、規模に関わらず、価値観を共有し、信頼できる仲間の繋がりを作ることがとても大切。この熱中寺子屋も、そういった繋がりの生まれる場としてこれからも機能していけたらと思います。
2限目は、脚本家・作曲家のまきりか先生による「音楽」の授業。大学卒業後にハドソンに入社し、「桃太郎電鉄シリーズ」などのゲーム音楽の作曲を手がけていたまきりか先生ですが、大学は法学部卒業、ハドソン退社後は音楽関係の仕事の傍ら経営コンサルティング会社勤務、企業広報誌編集など幅広く経験されている異色の経歴の持ち主です。今ではミュージカル作家としても数多くの作品を書かれており、音楽と言葉を軸にしたクリエイターとして活躍されています。この授業は、まきりか先生が作ってきてくださった「高岡熱中マイソング」のメロディーに、自分なりに歌詞をつけてみよう!というもの。イ長調でサビから始まるその曲は、どこか切なさを感じさせながらも聴く人へ語りかけ、Aメロ、Bメロと少しずつ盛り上がり、再びサビへ。明るい未来へ向けて勇気付けてくれるような素敵な旋律です。
さて、ここからが作詞の時間。先生に説明された曲調のヒントをもとに各々で詩を作っていきます。まきりか先生が何度もピアノで奏でるそのメロディーに時折耳を傾けながら、詞を考えること、およそ約10〜15分。こんな短い時間でも、作詞ってできるものなんですね。何人かの寺子が発表してくれた詞で早速まきりか先生が弾き語りをしてくださいましたが、どれも素晴らしい出来栄えでした。自分の作った詞を発表するのって、ちょっと恥ずかしいけど、一歩踏み出してみると何かが変わるかも。「一度オープンにしてみると楽しくなるし、そこから何かが開けていきます」というまきりか先生の言葉が印象的でした。
第3回授業 2018/5/19




この日の授業は、木造建築のデザインと技術開発を研究されている安藤邦廣先生(筑波大学名誉教授、NPO木の建築フォラム理事長)の「図画工作」からスタート。「板倉の歴史と現代の板倉の家づくり」をテーマにお話いただきました。「板倉」は、日本古来の神社や穀物倉庫を造ってきた、伝統的な木造建築技術です。戦国時代である15世紀ごろから、「安い」「燃えない」「山に材となる木がなくなってきた」等の理由で、建築材料の主流が木から土に変遷していきましたが、今でも東日本の山間部(富山も含めて)には、板倉が残っているところもあります。
「板倉の種類をみると日本の環境の変化(森林の状態、山の姿)、社会の変化がわかる」と安藤先生は言います。板倉の歴史は、長い横板を組み合わせた「せいろう(井籠倉)」に始まり、徐々に製材技術の進化や、山の木の減少に従い、その形も変化していきました。意外なことに、江戸初期には山にはほとんど木がなくなっていたそうで、江戸時代に植林をして土で家を造ったことで明治のころにはまた山に木が戻ったのだそうです。
日本の山の多くに杉林が存在するのは、建築だけでなく樽や船など、暮らしの多様な場面で活用してきたから。今の私たちは、身近な山の利用を忘れてしまっていますが、この資源を大切に活用し循環させることは、石油や原発に依存しない、持続的な暮らしが可能となる、日本の優れた伝統的な知恵です。
木は材となっても呼吸をするため、木でできた建築物は中の温度・湿度が一定に保たれ、また軽くて強いという利点があります。安藤先生は今、国産材を活用した板倉構法の技術開発を進め、今後は板倉構法の技術を広めていきたいと語ってくださいました。
2限目は、池田誠先生 (一般財団法人 北海道国際交流センター事務局長)による「社会」。今回は「自給自足の生活〜自分自身ができることから〜 」をテーマにお話いただきました。北海道で生まれ、北海道の大学を卒業後、大手旅行会社JTBで勤務していた池田先生。「完全版 自給自足の本」(ジョン・シーモア著、宇土巻子・藤門弘訳)という1冊の本、そしてその翻訳を務めた宇土巻子さん・藤門弘さんが北海道で営む「アリス・ファーム」との出会いが人生を変えます。
11年間勤務したJTBを辞め、家族を連れて1年間ニュージーランドを放浪。自給自足の暮らしを営む農場に滞在したり、労働力を提供して宿や食事の提供を受けるWWOOF(ウーフ)の制度を利用して20軒の農家に滞在したりなどして、パーマカルチャーやバイオダイナミック農法、自然農など、自然と共生する農的暮らしの知恵や技術を学びました。
その後北海道に戻って2年間自給自足の生活を営んだのは、「共働学舎新得農場」。酪農、チーズ生産、有機野菜生産、工芸などを農場内で生産して生活に必要な経費をまかない、世界にも誇れる品質のチーズを作っている農場です。
この農場には、農的な暮らしを営みたいという人たちだけでなく、社会適応の難しいさまざまな困難を背負った人々が集まります。農場での共同生活では、毎朝その日に行うことを宣言し合いますが、メンバーの自主性が全面的に認められ、それぞれが自分の人生を主体的に捉え、自己決定力を養っていきます。
ただ自然素材を使ったり、環境に優しい農法を実践したりというだけでなく、人も自然も微生物も可能性が生かされる環境整備がなされているこの農場は、社会的弱者が活躍し自立するための場である「ソーシャルファーム」の先進事例としても位置づけられています。
池田先生は現在、北海道国際交流センターの事務局長として海外ボランティアの受け入れをはじめ、国際交流事業や人材育成など、「多様性をともに支えあう社会づくり」を目指して奮闘されています。
第4回授業 2018/6/2




この日の1限目の授業は、宇宙のインフラ構築を目指す株式会社ispaceの取締役COO中村貴裕先生の「スタートアップ」です。現在、宇宙関連の産業には、アマゾンのジェフ・ベゾスなど異業種も含め、大企業や資産家が投資を進め、2004年に10兆円だった市場規模は、2018年現在35兆円まで急拡大、そして2030年には100兆円まで伸びるとの見込みとか。急拡大の要因は、先に挙げた民間の参入に加え、アメリカの政策面や民生品の技術革新、小型化が大きく影響しているようです。
宇宙関連産業において今最も注目されているのが月です。アポロ計画以降、大きな進展はなかったものの、近年月に水があることが発見されてから急速に各国、企業の関心が高くなりました。それは人工衛星に必要な燃料を月の水から補給可能と考えられているからです。
人工衛星の寿命は、燃料の限界からおよそ15年といわれています。月からの燃料補給が可能になれば、日本からの1/100のエネルギーコストで済み、人工衛星の寿命も長くなるようです。今後の宇宙の神秘を探っていくのに不可欠なステップとなるでしょう。
現在、世界全体で締結されている宇宙条約(:いかなる国家も宇宙の資源は保有できない)はあります。しかし、アメリカやルクセンブルグでは国家単位で民間が獲得した資源については保有、売買を認める法律を制定し始めています。関連資源をめぐって他国や専門家との軋轢はありますが、この流れが進めば産業全体の拡大は一層加速するでしょう。今後、私たちが月へ行くなど宇宙が身近に感じる日もそう遠くはないと思います。
2限目は、地元高岡の国宝瑞龍寺の住職、四津谷道宏先生による「道徳」でした。はじめに挙がった言葉は「因果応報」でした。仏教的用語でとられがちなこの言葉、実はこれは仏教から来るものではないようです。カースト制度のあった当時のインドにおいて、階級を容易にコントロールするために使われていたとか。下の階級に生まれた人は、先祖が悪いことをしたせいでそこにいる、それは当然である、といった形でその階級にいることを強制的に納得させていたようです。
一方、「因縁生起」、略して縁起と呼ばれる言葉ですが、こちらは仏教から来る用語のようです。善悪の二元論ではなく、困った時はお互いさまという意味になります。今回はこの2つの用語を、「アリとキリギリス」の話を用い、紙芝居を使って分かりやすく説明されていました。
最後は仏教が現代の人々に説く1つは、ストレスの多い現代にどう幸せに生きるかについてのお話でした。人は縦のつながりで、コントロールする側とされる側に分かれず、横のつながりでいること。人を注意するときは、あなたが悪い、というのではなく私はあなたが〇〇するとうれしい、と伝えるなど、現代のコミュニケーションにおける参考になる話でした。全体的に自作の紙芝居を使い、ユーモアありの色々と深く考えさせてくれる授業でした。
3限目は国宝瑞龍寺の禅堂での坐禅体験をしました。参加された方も30分があっという間に感じられ、雑念が体から抜けていくような、清々しい気持ちになったと感想をいただきました。普段は味わえない貴重な体験となりました。
この日の1限目の授業は、宇宙のインフラ構築を目指す株式会社ispaceの取締役COO中村貴裕先生の「スタートアップ」です。現在、宇宙関連の産業には、アマゾンのジェフ・ベゾスなど異業種も含め、大企業や資産家が投資を進め、2004年に10兆円だった市場規模は、2018年現在35兆円まで急拡大、そして2030年には100兆円まで伸びるとの見込みとか。急拡大の要因は、先に挙げた民間の参入に加え、アメリカの政策面や民生品の技術革新、小型化が大きく影響しているようです。
宇宙関連産業において今最も注目されているのが月です。アポロ計画以降、大きな進展はなかったものの、近年月に水があることが発見されてから急速に各国、企業の関心が高くなりました。それは人工衛星に必要な燃料を月の水から補給可能と考えられているからです。
人工衛星の寿命は、燃料の限界からおよそ15年といわれています。月からの燃料補給が可能になれば、日本からの1/100のエネルギーコストで済み、人工衛星の寿命も長くなるようです。今後の宇宙の神秘を探っていくのに不可欠なステップとなるでしょう。
現在、世界全体で締結されている宇宙条約(:いかなる国家も宇宙の資源は保有できない)はあります。しかし、アメリカやルクセンブルグでは国家単位で民間が獲得した資源については保有、売買を認める法律を制定し始めています。関連資源をめぐって他国や専門家との軋轢はありますが、この流れが進めば産業全体の拡大は一層加速するでしょう。今後、私たちが月へ行くなど宇宙が身近に感じる日もそう遠くはないと思います。
2限目は、地元高岡の国宝瑞龍寺の住職、四津谷道宏先生による「道徳」でした。はじめに挙がった言葉は「因果応報」でした。仏教的用語でとられがちなこの言葉、実はこれは仏教から来るものではないようです。カースト制度のあった当時のインドにおいて、階級を容易にコントロールするために使われていたとか。下の階級に生まれた人は、先祖が悪いことをしたせいでそこにいる、それは当然である、といった形でその階級にいることを強制的に納得させていたようです。
一方、「因縁生起」、略して縁起と呼ばれる言葉ですが、こちらは仏教から来る用語のようです。善悪の二元論ではなく、困った時はお互いさまという意味になります。今回はこの2つの用語を、「アリとキリギリス」の話を用い、紙芝居を使って分かりやすく説明されていました。
最後は仏教が現代の人々に説く1つは、ストレスの多い現代にどう幸せに生きるかについてのお話でした。人は縦のつながりで、コントロールする側とされる側に分かれず、横のつながりでいること。人を注意するときは、あなたが悪い、というのではなく私はあなたが〇〇するとうれしい、と伝えるなど、現代のコミュニケーションにおける参考になる話でした。全体的に自作の紙芝居を使い、ユーモアありの色々と深く考えさせてくれる授業でした。
3限目は国宝瑞龍寺の禅堂での坐禅体験をしました。参加された方も30分があっという間に感じられ、雑念が体から抜けていくような、清々しい気持ちになったと感想をいただきました。普段は味わえない貴重な体験となりました。
第5回授業 2018/6/16


1限目は山口純哉先生(長崎大学経済学部准教授)による「生活」からスタート。「地域の未来を創る人」と題してお話頂きました。
今、それぞれの地域で起きている「価値観の多様化」、「グローバル化」、「ICT•Iot化」、「個別対応の限界」、「人口減・少子高齢化」の変化を受けて、地域社会にも「集権から分権」、「スケールアップからスケールアウト」、「画一対応から個別対応」、「外来型から内発型」、「ハードからソフト」、「住民から市民」といった変化が求められるようになります。その中でひと際輝く地域の未来を創る企業・NPOと人について事例をいくつか挙げていただきました。
そして、これからの地域に求められる「他者に共感されるビジョンを構築できる」、「そのビジョンを具体的に描写できる」、「そのビジョンを実現するための仕組みを作れる」といった人物像についてお話頂き、変化に対応するためにどのように地域を変えていくのか、どんな人が地域を変えかといったこれからの地域を作るヒントを頂きました。
2限目は校條諭先生(メディア研究者、 NPO法人みんなの元気学校代表理事)による「社会」。この日は「近未来メディアの展望—どう見る?どう使う?—」についてお話頂きました。
日本の明治以降のメディアの発展段階は「新聞、ラジオ」を0.1とし、その次に「テレビ、ラジオ、新聞、雑誌」の0.2段階、そして今はメディア戦国時代の「電波(テレビ、ラジオ)、紙(新聞、雑誌)、インターネット」の0.3段階を迎えています。インターネットの発達によって誰でも表現できるソーシャルメデイアへと発展し、新興ネットメディアが多数登場する中で、既存の新聞や雑誌といったメディアは相対的地位が低下しています。
今までのメディアリテラシーと言えば、情報を鵜呑みにせず多数比較して正しく読み取る力を指していましたが、総表現社会である現代において求められるメディリテラシーは「表現・発信・伝える力」となります。入ってきた情報を鵜呑みにせず、一呼吸置き、裏取りをした上で、正しく伝わるよう発信していくことが大切だと教えていただきました。
第6回授業 2018/7/7



七夕のこの日は1日お祭りづくし!まず1限目はオマツリジャパン代表加藤優子先生の「祭で日本を盛り上げる」と題してお話し頂きました。日本におけるお祭りの数は実に約30万件!そんなお祭りは日本人にとって、一年の生きがいや、伝統文化やコミュニティ、経済の中心地の役割を果たしています。しかし地域によっては少子高齢化が進み祭りの担い手が減少することや、マンネリ化、お祭りを催す資金不足、PR不足といった課題もあります。
そんなお祭りにおける課題を解決するため、オマツリジャパンが活躍しています。地域が主体的・継続的にお祭を盛り上げられる仕組みを創造するプロデューサーとしての活動について様々な事例を紹介して頂きました。
人気が出るお祭り企画の作り方のコツを教えていただきました。①飲食のクオリティが高い、もしくは無料。②参加・体験ができる。③写真映えする。このことから盛り上がるお祭には五感に訴える仕掛けがたくさんあることが分かります。
授業の後半に「高岡の七夕系祭をもっと盛り上げるには?」と題して、寺子がそれぞれグループに分かれて、今の課題とそれを解決するためのアイディアを発表して頂きました。今後のお祭りを盛り上げるためのヒントがたくさん見つかった授業となりました。
2限目は山田玲子先生による「家庭科」。「熱中七夕ランデブー」と題して、会津の余蒔きゅうりを使った冷汁や、八丈島の明日葉を使った昆布締め、高岡の昆布を使ったおにぎり、笹の葉の和菓子といった七夕料理を披露していただきました。
昆布の食物繊維の働き、明日葉の健康食品と言われる所以の栄養素、余蒔きゅうりの美味しさなどを紹介して頂き、食を通してそれぞれの地域が一つに繋がることができました。
食育のお話としては、近年問題とされているコショク(孤食、個食、固食、小食、粉食)。これにより好き嫌いの偏り、食育やマナーなど間違った解釈が多くの子供に影響しているそうです。山田先生が料理家になる前に体験した食を通した国際交流のお話や食で心の病が改善される事例などをご紹介していただき、食は一番身近な外交と言われる意味が分かりました。
最後には皆で七夕料理を楽しく美味しく召し上がり、食が持つ力や皆でご飯を食べることの大切さを実感する授業となりました。
第7回授業 2018/7/21




1限目は内海弦先生(社会)の「IoTを身近に感じてもらえる鉄道模型の話」と題してお話頂きました。近年私たちの暮らしがテクノロジーによってめまぐるしく変化していますが、今注目されているものの一つがIoTである。今までパソコンとパソコン、機械同士が繋がっていたものが「モノとインターネット」で繋がることが可能となった。
日本は垂直統合型と水平分業が混在していることや、差異化要因として日本の強い分野が多いことからIoTは日本の強味を生かせるビジネスが数多くあると見られる。そこで現在高畠熱中小学校ではIoTを使って車両運転などができる鉄道模型ジオラマの制作に取り組んでいる。
鉄道模型やジオラマが人をなぜ虜にするのか、それは思い通りになること、増やすことができること、飽きることがない、そして何より今はもう見ることができない幼少期に見た風景を再現できることだと内海先生は語る。完成までにまだまだ時間を用するが、最新のテクノロジーによって昭和の懐かしい風景が再現される日が楽しみである。
2限目は声楽家である森雅史先生(音楽)の『ヨーロッパにおけるオペラ歌手としての生活』と題して、去年の授業で前回辿り着けなかったドイツの歌劇場でのお話をして頂きました。
イタリアボローニャを中心に活動していた森先生ですが、その後拠点をドイツのドレスデン歌劇場に移されました。ドイツの歌劇場はイタリアの歌劇場とは違い、レパートリー制といって、毎晩違う作品の幕が上がるシステムとなっており、日常の過ごし方からオペラが舞台にかかるまでのプロセスまでが全く違っており、苦労された点だとお話されました。
舞台裏話の一つとして印象に残ったのは、グリム童話を題材にしたオペラで特殊メイクを施された老婆の姿で演技をされた時の話である。本来なら悪魔のツノを一本ずつ抜くシーンがあったが、悪魔のダイナミックな演技によって、ツノが一本取れてしまった。その時にあたかも今抜いたかのように演技をされたことが、臨機応変に演じる面白さだと感じました。
最後にドイツで披露されたオペラを実際に寺子屋でも披露していただき、参加した寺子はうっとりしながら聞き入れていました。