​第5期授業紹介

​高岡熱中寺子屋の授業の様子をご紹介。事務局で要約した内容を載せています。

​このページでは、2018年9月開始の第5期の様子を紹介していきます。

​第1回授業 2018/9/1

 一時間目は月刊アスキー編集長である遠藤諭先生の「コンピューターの歴史講座AIが壊すもの創るものはなんだろう?」と題して、コンピューターの歴史に触れながら、これからの社会がAIでどのよう変わるのか、についてお話頂きました。

 コンピューターの歴史については一般的に1946年の「ENIAC」という大砲の弾道計算を行う機会がもっとも最初に実用化されたコンピューターと言われています。3年後には「EDSAC」と言われる現在のコンピューターの祖先が誕生します。その後技術が進化し、専門家しか使えなかったコンピューターが一般の家庭に普及し、今ではスマートフォンという手のひらで扱えるものとなりました。

 AIの歴史は人間を相手にするゲームから始まり、コンピューターとは違う文脈で発展して、今花開いてきました。今までコンピューターはクリエイティブなことができないと言われてきましたが、実は絵画や音楽もAIで作れることが分かるようになりました。AIによって仕事を奪われることを恐れる一方でAIを活用していけば人間が仕事をせずにAIに任せることも考えられます。

 AIはまだはじまったばかりです。これからどのように活用するかが要にかるかもしれません。

 

 二限目はコミュニティーマーケティングコンサルタント、NPO法人LunchTrip代表、旅コラムニストである松澤亜美先生の「コミュニティ作りと運営の極意」についてお話頂きました。

 コミュニティーマーケティングコンサルタントとしては、コミュニティマネージャー育成の講座、コミュニティの運営実務やアドバイスを依頼のあった企業などに行っています。NPO法人LunchTripでは「美味しい笑顔が世界を好きになる直航便」を合言葉に世界のランチを食べながらその国の人のお話を聞き、ワークショップを行っています。

 コミュニティとはただ人が集まっているのではなく、意図を持って自主的に集まっています。そして一方ではなく双方向コミュニケーションがあります。そのコミュニティをそして魅力的なコミュニティ設計にはルールがあります。①思い、文脈を共有する。(ミッション)②拡大?認知?ゴール設定(ビジョン)③思いが明確で楽しくなる名前(団体名)④最初のメンバーは少数精鋭で選ぶことが挙げられます。

 世界中でコミュニティが重要とされる流れがありますが、私たちの周りでも人と人が直接関わるコミュニティづくりが今後日本でもますます活発になると予想されます。授業の最後には寺子同士でコミュニティづくりに関してお話をして締めくくりとなりました。

​第2回授業 2018/9/15

 1限目はフリーアナウンサーであり農業ジャーナリストでもある小谷あゆみ先生に「共生」の授業をしていただきました。小谷先生はアナウンサー業の傍ら農業に魅力を感じ、「ベジアナ」として御自身で野菜づくりをされるだけでなく、様々な地域の農業を「旅人の目線」で取材されてきました。今回はそうした農村体験について、たくさんの写真と共にご紹介いただきました。

    現代では都市における食料自給率は低く、農産物は地方の農村任せとなっています。しかしながら、地方の農村は過疎化が進み、後継者不足などの問題にも直面しています。これは都市部の消費者にとっても他人事ではありません。では消費者に「当事者意識」を育むためにはどうすれば良いのでしょうか。

 

 小谷先生の提案は「農村が体験を売りにする」という事でした。先生は例として栃木のかんぴょう作りや秋田のじゅんさい収穫など、日本各地の様々な農業の体験を紹介され、その楽しさや、農村風景のような農業の食糧生産以外のプロセスにも魅力があることを語られました。また先生ご自身が実感された「地域の課題はその地域にしかない地域の宝でもある」という考えを教えていただきました。こうした「農村の素晴らしさ」を消費者自身が体験する事で、食糧生産に対して主体性を持って接することができ、またお腹だけでなく「心」を満たすことができるようになることが大切だとお話しいただきました。

 

    2限目は1限の内容を踏まえたグループワークです。5、6名の参加者でグループを作り、「高岡の宝は何か」、「それをどのように伝えたいか」ということについて議論し、発表を行いました。

    まずグループのメンバーが自己紹介を行い、その後それぞれ多様なバックグラウンドがある参加者が、自身の経験に基づいた様々な提案を行いました。

    発表では、グループの代表が、グループ内で出たアイディアをまとめ、参加者全員に披露しました。海産物や農産物、伝統的な料理やキャラクター、置き薬など……。高岡の誇る地域の「宝」をたくさん共有することができました。

 

 最後に一つでもやってみたいアイディアがあったら実際に実行してみて欲しいとお願いさせていただきました。このグループワークが一つのきっかけになれたたらと思います。

​第3回授業 2018/10/6

 一限目は「投資の本質 日本を根っこから元気にする」というタイトルで、ファンドマネージャー、起業家の藤野英人先生にお話をいただきました。ファンドマネージャーというのは、個人資産や年金などのお金を企業への投資などによって運用するお仕事です。藤野先生は理想の投資信託を作りたいと起業され、リーマンショックによる挫折にも諦めず、「ひふみ」という投資信託のブランドを作られました。

 藤野先生は「ビジネスの本質とは、穴を探して埋めること」、そして「多くの人がダメだと言うところにこそビジネスチャンスがある」と話されます。ご自身も「日本にはきれいな水道水があるからウォーターサーバーは売れない」という風潮がある中、ウォーターサーバーの販売に着手されました。ビジネスでは「いいものを作れば売れる」という考えだけではなく、作ったものをどのように届けるか、という点での差別化が重要になります。

 投資というものに対するイメージは、日本ではネガティブなものが多いといわれています。投資とは、未来に対してエネルギーを払うことであると先生は話されました。

 二限目は、高畠熱中小学校より宮原博通先生にお越しいただきました。タイトルは「地域コミュニティの醸成を図るための仕組み」です。地域コミュニティを築く目的とは、居心地の良い社会を作ることであり、そのためにはまちぐるみでの取り組みが必要です。そしてそのためのインターフェースを作ることが重要となります。

 近年は人口減社会や自然災害の大規模化といった状況から、地域コミュニティの崩壊や行財政への圧迫が起こり、国力の低下が起こることが懸念されています。そういった時代の変化を乗り切るために、宮原先生はコミュニティデザインが必要であると話されます。大地の恵みや先人の知恵を地域で共有することや、住民の生活をサポートするシステムを通して、揺るぎのない居心地の良い社会を作ることが必要です。

 魅力的な街では、人が元気で、人をもてなす精神性に富んでおり、人々が和気あいあいと話し暮らしています。そうしたコミュニティを醸成していくためには、人とコミュニケーションを取る方法が必要です。そして、まちに住む人たちが健康で元気で障害を生産的に生きることが大切です。

​第4回授業 2018/10/20

 1限目は建築家、の広谷純弘先生の「図画工作」。「建築が果たすべき新たな役割・・・つたえること」と題してお話いただきました。

 

 建築とはなんだろうと深く研究することも大切ですが、広谷先生は建築が独立して一つの作品ではなく、建築で何ができるのかを考え、建築は常に何かとつながっているという横に広がる思想をもって仕事に取り組んでいるそうです。その一つとして、ホテルのリニューアル工事をする際に、タイの孤児院の子供達の絵の版権を買い取って、アートとしてホテル客室やロビー等の内装の使用した例があります。絵の版権の売り上げをエイズワクチンの購入に充てたり、ホテルの売り上げの一部を孤児院に寄付してもらったりと建築を通して社会貢献やアートと社会をつなげる役割を果たされています。さらに期間限定で展示したアートをリサイクルし、バス停の待合室やテレビの収録スタジオセットとして活用する例も紹介していただきました。

 

 広谷先生の建築はどれも形やテイストが異なっていますが、それにはある理由があります。建築の設計は旅に似ている。どんな旅行にしたいのか、その問いを見つけ、旅の準備をする。建築も同じようにどんな役割を建築が果たすべきか、その問いに答えるための設計をする。それが、建築を越えて伝えなければいけないメッセージだと広谷先生は言います。

 

  2限目は長崎県立大学名誉教授の荻原寛先生による「音楽」。荻原先生の専門は言語学ですが、ヴィヴァルディの音楽に魅了され半世紀が経ちます。ヴィヴァルディが世間に誤解されている部分もたくさんあるので、今回は「ヴィヴァルディの魅力 女性の心を捉えるのはなぜか?」と題して音楽や人物像について話していただきました。

 ヴィヴァルディが活躍した時代のバロック器楽音楽の特徴としては、チェンバロ、オルガン、デュート、テオルバといった楽器が通奏低音を支えます。さらに当時の大切な決まり事としては、①通奏低音の鍵盤楽器の左手部分は数字付き音符を具体的なメロディーにする。②独奏者はアウトラインだけの徐楽章のメロディーに最適な装飾音を加える。③作曲家は演奏家であることなど、演奏家に託す部分が多かったのが特徴です。

 ヴィヴァルディは虚弱体質で生後すぐに洗礼を受けられなかったことや教え子との関係を疑われるなど、人生に影を落とす出来事がありましたが、それまでの音楽にはなかった生命力あふれるみずみずしさ、情感に訴える力、多様でありながら芯がぶれない安心感がある音楽は今でも人々を魅了していると言います。

 

バロック時代の楽器は今では演奏する方が減っていますが、機会があればぜひ当時の楽器で奏でたヴィヴァルディの曲を聴いてみたいものです。

​第5回授業 2018/11/17

 今回の講師は、全国的に有名な“熱中公務員”こと寺本英仁先生。島根県邑南町役場 農林水産課 食と農産業戦略室 調整監です。テーマは「答えは地域にある」です。

 寺本先生の勤務される邑南町は島根県の西南、出雲大社へ3時間半もかかる山村の田舎町である。平成16年(2004)の合併で1万人になった。当時2020年には人口が半減するといわれていました、ところが2018年の現在、人口は変わってないません。

 寺本先生は2016年NHK番組「プロフェッショナル仕事の流儀」に出演。さらに15年前NHKスペシャルにも出演されている。これらの映像でまず予備知識を――地方に生きる誇り。光り輝いていると思ってほしい。何も出来ないのではなく、何も知らないことが悔しかった。――『地方公務員の物語 答えは地方にある』

 お金がなく、仕事もない、年寄がいっぱいのところに人が集まる理由、それは、“楽しいと思える人がいるところ、ワクワクしている人がいるところに人は集まる”。

 邑南町ではここでしか作れない食材と食事を提供するため、食の学校、農の学校を開催して全国から移住者を呼び込み、年間92万人の観光客がやってくる。町は「0円で起業できる場所」とするため、国・自治体・銀行・住民がタイアップし、無担保・無保証での貸し付けやファンデングにより、地域型循環経済の確立を目指している。住民が出資し参画意識をもてば、地元の人が応援団になる。この町にしかないA級グルメの成功はお金・知識・人材の相互循環の仕組みである。講師の熱血に受講生の体温も上がり汗ばんだ。 

 講演後のグループワークでは①自分の誇り ②嫌な人のテーマでそのぞれのグループの中で各自が意見発表し、高岡を元気にするにはどうすればよいのか、頑張りたいけど壁にぶつかった時にどう対処したら良いのか、寺本先生の指導で真剣に考えました。

​第6回授業 2018/12/1

​第6回授業 2018/12/1

 一限目は、高畠ワイナリーを経営されている村上健先生による「生活」の授業でした。先生は現在高畠のワイナリーで熱中小学校の活動にも監修されておられます。

 近年、日本ではワイナリーの数は増加傾向にあるといわれます。しかし、日本ではワインの醸造に関する教育機関が不足しており、新規に開業したワイナリーの経営者が、必ずしもワインの醸造に関して十分な知識や認識を持っているとは限りません。

 例えば、新規参入のワイナリーでは有機栽培ブドウと天然酵母を用いた無添加無着色の「自然派ワイン」の醸造が行われることがあります。しかしこの「自然派」という言葉は非常に曖昧なものであるため、手法がきちんと定義されていません。また天然の酵母を使っているから、無添加だからと言っておいしいワインが生まれるとも限りません。

 ワインは飲料であり、おいしさを求めることが大切です。有機栽培や無添加は、そのための手段であるべきであるということを先生は言われました。

 

 二限目は、有限会社アークトレーディングの宮崎純子先生による「生活とデザイン」の授業でした。京都の伝統的な指物の家に育たれた先生は、アメリカでデザインを学ばれました。その後は通販の企業で優れたデザインの発掘やPRに従事され、現在日本でも様々な製品を取り扱っておられます。今回は先生が取り扱われている素晴らしいデザイン製品の一部をご紹介いただきました。

 例えば、間接照明という照明器具は、かつて日本で広く受け入れられていたものではありませんでした。しかし、少しずつ普及していき、今では広く親しまれるものとなっています。

 今回先生が紹介された間接照明は、そうした中でインテリア性を強く打ち出したものであり、シンプルなデザインでありながら見る人々に驚きを与えるものでした。先生は、美しくシンプルでまた日々の生活に役立つ楽しいものが素晴らしいデザインであると話されました。

​第7回授業 2018/12/15

 今期最後となる今日の授業は、「人間中心設計よろず相談」代表の早川誠二先生による「生活」の授業です。

 まず一時間目は座学として、先生のお家の掃除機を例に、「どんな理由で買ったのか」「どこが便利か」「どこが使いにくいか」などの質問が投げかけられました。もし家の家電が何らかの理由で使いにくければ、それは使う人の特性や利用状況、ニーズを作り手が理解できていないことになります。ただし、「顧客」というのは非常に多種多様で、わがままなユーザーであると先生は言われます。しかしそのユーザーの欲求をすべて満たそうとしてしまうと、今度は誰も使えないものが生まれてしまいます。

 重要なのは顧客の多様性や、顧客自身が意識できていない欲求を理解することです。製品の上手な利用状況の達成には様々な方法があり、ユーザーを理解することで、上質なユーザー体験を提供することができるようになるのです。

 

 そして二時間目は一時間目の内容を踏まえたグループワークとして、「マシュマロチャレンジ」と「バリュープロポジションキャンバス」が行われました。

「マシュマロチャレンジ」は乾麺のスパゲティと限られた材料で塔を作り、頂上にマシュマロを刺して最も高い自立した塔を作ったチームの勝ちというルール。思いの外乾麺は折れやすさやテープの弱さ、マシュマロの重さに苦戦したチームが多く、最後自立させられたのは一チームだけでした。先生は「とにかく手を動かして行動してみることが大事」と言われました。

 「バリュープロポジションキャンバス」は、今度は頭を動かすグループワークでした。ある人が何かやりたいテーマを持っている時、社会や企業は何を提案できるのか、それによってその人は何が得られるのか、ということについて皆で話し合い、発表を行いました。参加メンバーの個性が生きたグループワークとなりました。

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